貸宅地コンサルティング
Land on leasehold right Consulting貸宅地コンサルティング
貸宅地とは、借地権が設定された土地の事を言います。貸宅地は下記のような問題が有り、出来るだけ解決したい財産です。
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法律上の問題点
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収益性の問題点
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税務上の問題点
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借地権者側の問題
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解決方法
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現状把握
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貸宅地を整理して最終的に目指すもの
1. 法律上の問題点
(一度貸した土地は戻ってこない)
借地権の契約期間は20年や30年で貸しているケースがほとんどですが、期間満了になっても土地は戻ってくることはほとんどありません。(旧法借地権)
借地法は、地主に正当事由がない場合、借地人が更新請求するだけで契約更新ができる(法定更新)という事になっており、借地人が返すと言わない限り永久に戻ってきません。 土地を返してもらうという事は、実際には借地権を買い戻すという事になり、借地権価格は数百万円から数千万円、商業地などになると数億円になるケースもあります。
地主にとってみれば、「なぜ、貸した土地を返してもらうのに、そのような多額のお金を支払わなければならないのか?」と怒りたくもなるというものです。 では、更新料を払ってもらって、契約を更新するということになりますが、更新料を払わないという人もいますし、更新料の支払額についてはいくらが正しいかでよくもめる原因にもなっています。 (更新料は、合意がなければ払わなくても良いという判例が出ています)
2. 収益性の問題点
貸宅地のもう一つの問題点が、収益性が非常に低いという事があげられます。 地代の目安は、固定資産税の3倍と言われています。首都圏の住宅地は坪400円から1000円前後ではないでしょうか?
仮に800円で30坪貸しているとすると地代は月24,000円です。場所によっては駐車場1台分にもなりません。
その地代から固定資産税、都市計画税、不動産所得税を払うと手取りはいったいいくらになるのでしょう。
地代を強硬に値上げようとしても、供託されてしまいます。
収益性の比較検討
(例)世田谷区の住宅地に100坪の土地を所有している場合
アパート:ワンルーム15室×68,000円=1,020,000円
年収=12,240,000円
駐車場:16台×30,000円=480,000円
年収=5,760,000円
貸宅地:100坪×800円=80,000円
年収=960,000円
3. 税務上の問題点
上記のような坪数百円の収入しかない貸宅地でも、借地を数十件、数百件と貸していると、相続税が数億円、数十億円となるケースもあり、現金で一括して支払えないケースが出てきます。
特に財産が自宅と貸宅地のみという方は、延納を選択して分割払いで支払うにも地代だけでは支払う事ができない方が多く、貸宅地を売却するか、物納を選択する事になります。
相続税の納税方法
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現金で一括納付が原則であるが、億単位の相続税は一括して支払えないケースが多くなる。
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相続税を現金で一括納付できない場合は、分割払いができるが、財産が貸宅地のみの場合は、地代収入では補いえないケースが多い。
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現金一括納付、分割払いができない場合に不動産や船舶、株などの現物を現金の代わりに納めることができる。
※物納についての詳細は、物納コンサルティングをご覧下さい。
相続発生前に事前準備も財産の把握もしていない地主さんは相続税の申告期限10ヶ月以内に貸宅地売却、物納整備は難しいといえるでしょう。
短期間に無理に売却すると足元を見られて安く売却する事にもなりかねません。
4. 借地権者側の問題
地主側の問題点を挙げてきましたが、借りている側にも下記のような問題があります。
- 自分の家なのに、建替え、増改築、売却、銀行融資の際に地主の承諾が必要。
- 期間更新、建替え、増改築、売却の際、多額の承諾料が発生する。
- 借地権単独では売却が難しい。
(買主にとっては、数百万円、数千万円というお金を払っても自分の土地にならず、何かにつけ地主の承諾を貰わなければならない面倒な財産である) - 銀行から融資を受けるのが難しくなっている。
- 土地を第3者に売られる不安がある。
※不動産は、1つの不動産に対して1つの権利が望ましいと言われています。貸す側も借りる側も、完全所有権とする事によりその不動産の財産価値を高められます。
5. 解決方法
借地権を完全所有権にするためには下記の解決方法が一般的です。
(1) 底地売却(底地を借地人へ売却し、借地人の所有権となります)
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底地売却の前
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底地売却の後
(2) 借地権の買戻し(借地権を地主が買戻し、地主の所有権となります)
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借地権の買戻しの前
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借地権の買戻しの後
(3) 同時売却(借地権と底地を第三者へ同時に売却し、権利割合に応じて売買代金を分けます
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同時売却の前
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同時売却の後
(4) 等価交換(庭として使っている部分などを一部返還し、面積は減りますがそれぞれの所有権になります)
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等価交換の前
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等価交換の後
(5) ビル建築による等価交換(借地人と共同でビル・マンション等を建築し、共有持分として所有します)
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ビル建築による等価交換の前
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ビル建築による等価交換の後
6. 現状把握
貸宅地を管理し、上手く解決していくには、まず自分の財産を知る事が先決です。 相続が起きてからではなく、できるだけ早い時期に、下記のチェックポイントを参考に、問題点を把握してください。
チェックポイント
- 相続税がどのくらいかかるか知っているか?
- 自分の財産の範囲は知っているか?
- 土地の権利関係は知っているか?
- 建築確認が降りない土地はないか?
- 物納できない土地はないか?
- 適正な地代であるか?
- 地代の供託はないか?
- 計画道路はないか?(事業決定か?計画決定か?)
- 前面道路の種類、幅員は知っているか?
- 官民査定は確定しているか?
- 境界は確定しているか?
- 隣地の建物や造作物が越境していないか?
- 契約書はすべて揃っているか?
- 契約書の内容は正常か?(特約はないか)
- 過去に協定書、念書、確約書などを交わしたことが有るか?
- 法定更新はないか?
- 無断建替え、無断譲渡はないか?
- 都市計画、法令上の制限を知っているか?
- 所有不動産の時価を知っているか?
- 借地契約者と建物名義人は同じか?
- 借地権者の建物は保存登記(相続登記)してあるか?
建築確認の降りない土地は、物納も売却も困難である為、建築確認の降りない土地は財産として残さない。
弊社は上記内容を調査、現状分析、問題点の把握をした上、適切な対策をたてる為の企画提案書を作成しています。(企画提案書作成)
7. 貸宅地を整理して最終的に目指すもの
土地神話が崩壊し、土地を持っているだけでは相続のたびに財産が減っていきます。土地の面積を多く残す事ではなく、価値ある財産を残していかなければなりません。
その為には不動産、現金、債権などに財産を分散させてポートフォリオを組み、経済の流れや法律、税制などを見ながら、上手く財産を運用していかなければなりません。
残したい財産(不動産)とは?
- 相続税の税務評価が安い
- 事業収益(利回り)が良い
- 有効利用ができる(商業、近隣商業地域などで道路幅が広く建物が高く建つ地域)
- 換金化が容易である(いざという時、売却がしやすい)
貸宅地は、貸す側、借りる側にとっても不便な財産であり、これを解決するには、貸す側、借りる側も正しい知識を持って、自分の権利の主張をするだけでなく、相手の立場を考慮することが争いをなくすことになります。
地主・家主の皆様、
税理士・公認会計士の皆様のために、
私たちができること
弊社では、専門スタッフがお客様のニーズにお応えし、
適切なご提案とお手伝いをいたします。
貸宅地企画提案書
を作成致します
弊社は、地主・家主の貸宅地に関する問題を調査分析し、適切な対策をたてる為の企画提案書を作成しています。
- 地主・家主の皆様へ
資産税の
お手伝いを致します
税理士・公認会計士の皆様が相続税の申告をされる時や、顧問先に相続税の納税・節税などのご提案される時に、資産税のお手伝いを致します。
- 税理士・公認会計士の皆様へ