建物の施工不良問題
2018年4月、(株)レオパレス21の一部物件で確認通知書(建築確認を受けた図面)と実際の施工内容が一部異なる為、全ての該当物件の調査を行った上、補修工事をするというニュースがありました。
問題となった界壁の役割と影響
小屋裏界壁のイメージ
(国土交通省資料より)
建築基準法第30条
長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
建築基準法施行令第114条第1項
長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
遮音性能、準耐火構造の役割
遮音性能、準耐火構造の役割は以下になります。
- 遮音…界壁がないと音が筒抜けになってしまいます。(小さな生活音やスマホの着信音も聞こえてしまうので、話声や騒音を低減させます。)
- 延焼防止…万が一火災が発生した場合、隣の部屋への延焼防止となり、また全焼しにくくする役割もあります。
なぜこれまで問題にならなかったのか?
建築確認申請時、図面上で界壁込みの設計はされているか?のチェックはありますが、机上の確認のみで、中間検査時は界壁を作る前なので確認できませんし、完了検査時は建物が完成しているため実際に視認することができないのです。
有効活用その前に
今回の界壁問題で該当物件に入居中の方は補修工事の為転居を余儀なくされています。
入居者の転居のペースに合わせて補修工事を行うそうですが、年内の解決は難しそうです。
(4月末時点施工不良は15628棟、そのうち補修完了は800棟)
また、今回の問題に巻き込まれてしまったオーナー様は不安だけではなく怒りなどもあるかと思います。
有効活用にあたっては、建物の施工に不良が無いか、一級建築士などのプロに助言を求め、その建物のチェックや検証をし、負動産にならない対策をとりましょう。
(今井)
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