賃貸借契約についての基本的なルール
新型コロナウィルス感染症の影響により、売上や収入が減ってしまったテナントから店舗や事務所の賃料の支払いが難しくなり相談される方も多くいらっしゃると思います。
今回は改めて賃貸借契約についての基本的なルールを確認してみたいと思います。
新型コロナが原因の賃料不払いによる契約の解除は可能か?
借地借家法では建物賃貸人は正当事由がなければ解約申し入れることはできないとされています。
では、正当事由とは何か?以下の4つを考慮することが明確化されています(借地借家法 第28条)。
- 建物賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情
- 建物の賃貸借に関する従前の経過
- 建物の利用状況及び現況
- 建物の明渡しと引換えに提供すると申出た財産上の給付(いわゆる立退料)
信頼関係破壊の法理
また、賃貸借契約は一定期間契約関係が存続する継続的契約であって、賃貸人と賃借人の間に一定の信頼関係が存在していることが前提となります。
そして、軽微なものであっても契約違反により契約の解除が可能となると賃借人にとっては住居等を失うことになり、厳しすぎる結果となる可能性があります。
そのため、信頼関係を破壊しない程度の賃借人の債務不履行では契約の解除ができないとされています。
新型コロナウィルス感染症の影響
法務省の見解では、今回の新型コロナウィルス感染症の影響という特殊な要因で売り上げが減少したために賃料が払えなくなったという事情は、信頼関係が破壊されていないという方向に作用すると考えられ、3か月程度の賃料不払いが生じても、不払い前後の状況等を踏まえ、信頼関係は破壊されていないと判断され、賃貸人による契約解除が認められないケースが多いと考えられるようです。
賃料の減免や猶予に応じた賃貸人の支援策
賃料の減免や猶予に応じた賃貸人の支援策として、賃料減額分について、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することができる旨の明確化や、令和3年度の建物・設備の固定資産税額免除(減額に応じて全額または半額)が措置されました。
改めて重要なことは?
これまでに経験のない事態により様々な影響がありとあらゆるところに出ています。終息したのではなく今後も共存していかなくてはなりません。
不測の事態に備え、賃貸借契約の内容確認や賃借人と事前に誠実に協議をしておくことも必要かもしれません。(今井)
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